前節の神戸戦では後半終了間際に失点し惜しくも負けてしまったアビスパ福岡。
前節の記事はこちら⇒ https://fab-blog.com/avi1016
その後他チームの結果により、今季のJ1残留が決まりました。
最低限の目標を達成し、引き続き「勝ち点50以上、1桁順位」を目指し今節アウェーでのコンサドーレ札幌戦が行われました。
J1リーグ 第33節 北海道コンサドーレ札幌 0-0 アビスパ福岡
スタメンと交代選手
両チームのスタメンと交代選手はこちら

アビスパ福岡は通常の4-4-2ではなく、3-4-2-1という形を採用してきました。
恐らくこのフォーメーションは今季初だと思います。
これは札幌のフォーメーションに対して同じフォーメーションでぶつかる、いわゆるミラーゲームで挑み札幌の長所を打ち消そうという意図だと思います。
福岡はラインと高く設定し、FW3枚は前からパスコースを切りつつプレスにいきます。
またWBは相手のWBにマンマークでボールが入ったら激しく当たりに行きます。

自陣までボールを運ばれると、3-4-2-1から5-4-1と形を変えてゾーンディフェンスで守ります。
守備の部分は枚数が違うだけで4-4-2と守備の意識は変わっていないです。
札幌のビルドアップの工夫
ボールを回しながら攻めていくのが札幌の攻撃スタイルのようですが、この試合はミラーになっているため、各ポジションで数的優位は作りづらく、札幌としては攻めにくかったかもしれません。
その中でも札幌のビルドアップの形が興味深かったので、取り上げてみたいと思います。
通常の考えで行くと、前述した形かと思いますが、僕の把握できる範囲でこの他に3つの形が見られました。

まずは開始2分の場面です。
右CBの田中駿汰がボランチの位置に上がり、ボランチの荒野が最終ラインに落ちて4枚でダイヤモンドを形成する形です。

次は7分。
両ボランチが降りてきてGKも参加して三角形を形成する形です。
この時、降りてきたボランチに代わりに田中と高嶺のCB2枚がボランチの位置まで上がってくる形で、外に開いたりしてパスコースの確保を行っていました。

最後は37分の場面。
こちらも右CBの田中が上がり2-3となり最終ラインの2枚を頂点とする三角形が2つできる形です。
僕は札幌の試合を全然見ていないので選手の特徴が分かりませんが、恐らくビルドアップの形を可変させることで、アビスパのプレスを無効化しようとしていたように感じました。
この工夫が有効に効いていた場面もありましたが、そもそもこの試合の札幌はここから先になかなか有効な攻撃があまりできていませんでした。
というよりは、福岡が上手く守れていたということだと思います。
効果的な縦パスを通そうにもフィジカルで圧倒するカウエ、危機察知能力の鬼の前が早く圧をかけにいき、チャナティップや小柏に前を向く時間を与えません。
となるとジェイ任せのロングボールが多くなりますが、高さには絶対的な自信のあるCB3枚とWBの素早い戻りもあり、前線での起点を作るのも難しい札幌の攻撃陣。
前半の守備の部分では福岡は予定通り守れていたと思います。
福岡の攻撃考察
一方、福岡の攻撃陣も前半はなかなか苦戦していたようでした。
トップにメンデスでシャドーに渡と杉本という形でそれぞれ個性の違った攻撃陣でした。
トップのメンデスはボールの反応やシュートセンスは申し分ないのですが、前線でロングボールの起点というタスクでは背負えるメンデスですが、フアンマや山岸やジョンマリほうがこの部分では優位かと思います。
2シャドーの渡は裏抜けの意識が高くスピードもあり一瞬でゴールまで迫れますし、杉本はドリブルで運べで味方に時間をスペースを作ることもできます。
しかし、メンデスを含めた3人の相性や連携をみてみると、どうも上手く嚙み合っているとは言いづらいのかなーと感じました。
お互いの長所を活かす狙いが共有されていなかったのかもしれませんし、単にこの形での連携不足なのかもしれませんが、、、、
個人的には杉本が好きなので、どうにかこの形でも良いプレイを見せてほしかったところです。
またカウエを起用して守備の部分では起用に答えた部分もありましたが、やはり攻撃のスイッチ役としては不満の残る内容だったかと思います。
そういう意味では後半から、フアンマ、山岸、金森、中村が出場してメンバー上はフルメンバーとなってから攻撃の勢いが増したように見受けられました。
実際、4-4-2での2トップのフアンマと山岸で、金森も最近は右サイドから中に入ってセカンドボールの回収やフアンマのフォローに入ってくる動きが多く、普段から疑似3トップ気味になっていたのでこのフォーメーションでも難なくよいコンビネーションを見せてくれました。
ボール支配率は札幌が60%以上支配していたにも関わらず、シュート本数では約3倍くらい福岡が多く打っていました。
なんという超効率的な攻撃なんでしょう。
メンデス、渡、フアンマにそれぞれ決定機があったので誰かが決めてくれていれば、、、、という試合展開でした。
きっとここで決めれるかどうかが、長谷部監督の言われていた最後の部分での質なんだと思います。
来季上位陣に食い込むには、こういったチャンスで確実に決めきれる攻撃陣になって頂きたいですね。
試合後の長谷部のコメント
自分たちができることは精一杯やれた。それは立ち上がりから終わりまで、少し形を変えながら自分たちの長所を出しやすく、また相手の長所を消しながら、というところで、うまく対応できたのですが、大きなピンチはそんなになかった中で、自分たちのチャンスで点数を決めていれば勝てた試合に持っていけたんじゃないかなと思いました。ただ、そこはわれわれの課題である質のところ。強度のところは良かったと思うので、質のところをもう1回意識して高められるように努力していきたいなと思います。
引用元:Jリーグ公式サイト 【公式】札幌vs福岡の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2021年10月24日):Jリーグ.jp (jleague.jp)
--今季初めて[3-4-2-1]の選手配置で試合に入りました。狙いは?
相手の長所を消すところ。札幌さんは攻撃が多彩なので、そこで簡単に自分たちがやられないように、相手が気持ちよく攻撃できないように、トレーニングも少ししかできませんでしたが、準備して当ててみました。まずまずの出来だったと思います。
--今日の試合をどのように評価しますか?
とにかく短い期間で準備して、選手がよくやってくれました。強度もプレーの理解も戦術もよくできたと思います。ただ、ちょっとしたところ、ボールを奪ったところでトラップが少し大きくなる、あるいはドリブルやパスのところで少しズレがあった。また最後のシュートのところ、ここで入れていればという場面が何度かあったと思うので、そういうところでの質がまだまだ課題だと思いますが、十分にできた試合だったと思います。
--アウェイでの引き分け、そして連敗阻止。今日の勝点1をどのように捉えていますか?
もちろん38試合の中のアウェイで、しかも札幌さんに対して勝点1を取れたことは十分に評価できると思います。ただ、ルヴァンカップのグループステージを含めて今季4試合やった中で、札幌さんに一度も勝てなかったことが私の中では今季の心残りというか、どうにかできたんじゃないか、という意味でも惜しかったなという思いです。そこは私自身の、またクラブの課題として残して克服していきたいなと思います。
手応えを感じた部分と勝ちたかったという悔しさが溢れてくるインタビューでした。
前キャプテンのコメント
いつもとは違うフォーメーションで入ったのですが、ゲームの内容を大きく変える1つの戦術になったと思います。相手としてはやりづらい部分があったでしょうし、ウチとしてもストロングが生きる形を数多く出せたと思います。ただ、1点を決めるチャンスはあったので、その中で1つでも取って勝ちたかった。
--今日のシステムについての手ごたえは?
相手の枚数に合わせた、ウチではあまり見られない格好でしたが、目的は勝つことで、それに合わせた一番良い形というものが今回のフォーメーションで、相手にとってイヤな部分は出せたと思います。
--久しぶりの札幌ドームでのゲームとなりました。
育成組織から育ててもらって、プロになってからもここでプレーさせてもらって、またプロに入る前の小学生の頃からこのドームで観戦していたことを思うと、うれしい気持ちでいっぱいです。
引用元:Jリーグ公式サイト 【公式】札幌vs福岡の試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2021年10月24日):Jリーグ.jp (jleague.jp)
前も奈良もコンサドーレ札幌出身だったんですね。
勉強不足でした、、、笑
今季初の3-4-2-1というフォーメーションで挑んだ今節ですが、フォーメーションが機能したかといえばある程度は機能したと思います。攻撃陣の組み合わせはこれから調整していくでしょうから、相手によっては4-4-2と使い分けることができれば1つ強みが増えるので楽しみですね♪
アウェーで勝ち点1獲得しましたが、3試合勝利から離れているので、この次2試合はホームでの試合なので福岡で勝利を掴んで頂きたいです。
そして、11月7日の横浜FC戦は僕もスタジアムに応援に行きます!!!
楽しみ以外の何物でもないぜよ。
ではまた!
(ウイイレのアップデート早く来ないかな~切実)
コメント